現代では多くの人が薄毛の悩みを抱えています。ところが何か対策を講じたいと思っても、市販の育毛剤の種類は膨大な数の商品が溢れかえっています

Amazonの検索で育毛剤と打って見ると何と1500種類以上の育毛剤が販売されています。(育毛シャンプーや育毛サプリ、育毛関連の本は省いた数字です。)

医薬品医薬部外品、さらには厚生労働省認可という言葉が付いていたり付いていなかったり、自分の症状にどんな商品が適切なのかはもちろん、どのタイプの商品にどんな効能があるかを知るのさえ難しいのが現状です。

そこで、間違ったものを手にしてしまうことがないよう、医薬品と医薬部外品の違いや厚生労働省認可の意味合いなど、育毛剤を購入する前にぜひとも知っておきたい基本的なことがらについてご紹介します。

今さら誰にも聞けない育毛剤の基礎

育毛剤についての説明に入る前に、ぜひともおさえておきたいのが発毛剤や養毛剤との違いです。

発毛剤とは、その名の通り、新たに毛を生えさせることを目的としています。毛母細胞を活性化したり、細胞分裂を促したりする成分を配合しています。

他方、養毛剤育毛剤は、すでに生えている髪に対して働きかけ、脱毛を防ぐという点で共通していますが、養毛剤が保湿成分などによって毛を保護することに特化しているのに対し、育毛剤には、頭皮の血行促進や抗炎症・毛乳頭への栄養補給などによって毛の成長を助ける成分が配合されている点で大きく異なります。

つまり育毛剤には髪の毛を新しく生えさせる効果はないものの、頭皮の環境を整えるだけでなく、養毛剤には含まれない有効成分の働きによって、より積極的に脱毛を防ぎ、健康的で丈夫な髪の毛の成長を促す効果が期待できるというわけです。

男性用と女性用の育毛剤の違いついても知っておきたいところです。男性は男性ホルモン、女性は女性ホルモンに薄毛の原因があることが多いため、同じ育毛剤でも成分は大きく異なります。

男性用育毛剤には男性ホルモン(5aリダクターゼ)の抑制、毛穴に詰まった過剰な皮脂の分解、頭皮の抗菌を助ける成分が含まれることが多いのに対し、女性用育毛剤には保湿や抗炎症、抗菌、栄養補給、さらには女性ホルモンと似た働きをするといわれるイソフラボンなどが配合されています。

症状によっては全く効果が期待できないことも考えられるので注意が必要です。

医薬品と医薬部外品の違いで効果に差が出る!?

そもそも医薬品とは、病気の治療や予防を行うためのものであり、医師が処方する医療用医薬品と、薬局などで購入できる一般用医薬品とに大きく分けられます。

いずれも効果が高い反面、使い方を誤ると危険を伴う恐れがあるとして、処方箋が必要、薬局でしか買えないなどの制限が設けられています。

これに対して医薬部外品とは、医薬品に比べて、病気の治療や予防に関して緩やかな効果があるものを指します。有効とされる医薬成分は入っていますが、効果自体は限定的。また使用量などについての明確な規定も設けられていません。

医薬品のような高い効果が実証されているというわけではないですが、センブリエキスやエビネランエキスを始めとする成分を厚生労働省が「有効」と認めていることに変わりはありません。実際に効果があるかどうかについては、確率論的な問題ということになるでしょう。

また副作用があるかないかにも違いがあります。すべての薬には見た目で分かるもの、分からないものを含めて大なり小なり副作用があります

つまり医薬品と記載がある育毛剤には副作用があり医薬部外品と記載がある育毛剤には副作用がありません

風邪薬や咳止め、熱冷ましなどの庶民的な薬にも副作用というものはあります。例えるなら喉の痛みをバファリンを飲んで抑えるのが医薬品、ハチミツやショウガ湯で治すのが医薬部外品です。

これを育毛剤に置き換えるとミノキシジルやプロペシア、リアップなどが医薬品育毛剤チャップアップやブブカ、フィンジアが医薬部外品育毛剤となります。

結論はどちらにも効果はあります。副作用の出やすさの大小や効果の出やすさには個人差があるので、まずは医薬部外品から試すのが安全でおすすめです。効果が出なかった時に医薬品に移行して副作用の有無と自分の体質と相談しながら継続、中断の判断を下しましょう。

育毛剤の厚生労働省認可の記載によって効果に違いがある!?

育毛剤のパッケージや広告に「厚生労働省認可」と書かれているのをときどき目にしますが認可を受けているといったい何が違うのでしょうか?

これは育毛剤自体の発毛や育毛効果を厚生労働省が認めたという意味ではなく、厚生労働省が効果があると認可を下した有効成分を配合している育毛剤という事を示しています。

どちらが効果があるかといえば厚生労働省認可の記載がある方が効果が出る可能性が高いです。なぜなら認可がおりるまでには複数の臨床実験をクリアした後に成人男性に対しての治験も行い、決められたすべての基準をクリアするデータを採ってようやく認可が出るからです。

もちろん認可が出ていなくても育毛効果が出る成分はありますし、新しく発見されたばかりの成分だと認可までに時間が必要なので、数年後に認可される事もあるでしょう。

また海外では有効だと証明されている成分でも日本では時間差で認可が出ていない場合もあります。ミノキシジルやフィナステリドも十数年前はそうでした。この先さらに効果がある完成された医薬品がアメリカで開発されたとしても日本で正式に認可されるには数年以上の時間が必要です。これは抗がん剤なども一緒で日本の医療システムの欠点といえる事でもあります。(安全性やルールに従事しすぎて柔軟性に欠ける)

育毛剤の販売にあたっての注意点

医薬品と医薬部外品とでは、育毛剤の販売方法も大きく違ってきます。

医薬品を販売するには、薬機法により都道府県知事の許可が必要と定められており、薬局・店舗販売業・配置販売業・卸売販売業のいずれかの形態を有し、管轄する保健所に申請し販売業の許可を得なくてはなりません。

他方、医薬部外品の育毛剤であれば、販売業の許可は必要ありません。

育毛剤の多くは、医薬部外品に分類されます。つまり頭皮や毛母細胞に働きかけはしますが、臨床試験などで効果が実証されているわけではありません

ですから、育毛剤の販売に際し、各メーカーは薬機法に抵触しないよう広告表現には十分に気をつける必要があり、例えば、パッケージなどに「発毛促進」「脱毛予防」などとは記しても、「発毛効果がある」と断言することはできません

それでも「発毛」という言葉を使用する、実際には認められない効果をうたう、太さと長さのうちいずれかを強調するなど、これまでに薬機法に違反した事例は少なくありません。

医薬品と医薬部外品の違い、また厚生労働省認可が意味するところなどを取り挙げながら、知っているようで知らない育毛剤の基礎についてご紹介してきました。発毛剤や養毛剤との分類上の違いについて理解し、広告表現にも注意を払いながら、より適切な育毛剤選びにお役立てください。



関連記事
AGAの治験とは?育毛剤が生まれるまで
プロペシアミノキシジルで献血は?