女性ホルモンを増やせば、髪の毛が増えるという話を聞きます。その一方で男性ホルモンが薄毛に影響しているという噂もよく聞きます。
男女のホルモンが髪に何らかの影響を与えているという、これらの噂話。果たして、どの程度が本当なのでしょうか?
今回は女性ホルモンと男性ホルモンの薄毛への影響の違いを解説します。
女性ホルモンと女性の薄毛の関係
あらかじめ言っておくと、女性ホルモンも男性ホルモンも、単一の種類しかないわけではありません。そんな中で、有名な女性ホルモンはエストロゲンとプロゲステロンです。
ではこの2つの女性ホルモンは女性の薄毛にどのような影響を与えるのでしょうか。
エストロゲンの役割と女性の薄毛への影響
エストロゲンは卵胞ホルモンと呼ばれ、卵胞の成熟を促す働きがあります。また、それに伴って女性らしい丸みを帯びた身体を作ったり、髪を美しくハリのあるものにしたりと、女性らしさを生み出すのも重要な役割です。
さて、さっそく髪の話が出てきましたが、エストロゲンは髪の成長を司るホルモンです。
本当はもう少し複雑なのですが、端的に言ってしまうと、エストロゲンの分泌量が減ると髪の毛の量も減っていきます。
更年期を迎え、女性ホルモン分泌量の減った女性に薄毛問題が頻出するのも、このエストロゲンが大きく関わっていると考えていいでしょう。
もうひとつの女性ホルモン、プロゲステロンも髪に大きな影響を与えます。
プロゲステロンの役割と女性の薄毛への影響
プロゲステロンは黄体ホルモンと呼ばれ、基礎体温を上昇させたり、妊娠の維持や乳腺の形成など子供をつくる上で重要な役割を担っています。
髪に関して言えば、プロゲステロンの作用は成長期の維持にあります。ヘアサイクルヘアサイクルの成長期を維持することで、髪が成長しきる前に抜けてしまうのを予防するのです。出産した後に、ドカッと抜け毛が増えるのも、プロゲステロンの分泌量が急激に下がったことが影響しているのです。
エストロゲンが発毛を、プロゲステロンが成長を促進するので、両方とも増やせば髪もフサフサになると考えられますが、物事そんなに上手くはいきません。
プロゲステロンはエストロゲンの量をコントロールする働きがあるので、両方を増やし続けるのは困難です。
ホルモンはバランスが何より大切と言うことですね!
引用:厚生労働省主催 女性のライフステージを考慮した健康づくり
女性は月経・生理の周期によってホルモンの量が劇的に変化します。
また50歳からの閉経後には女性ホルモンの量が急激に低下します。
これがエストロゲン・プロゲステロンの減少を呼び、女性の薄毛の原因となるのです。
女性ホルモンを減らさない方法
女性ホルモンは女性の体と心の健康だけでなく、薄毛への影響も大きく関係している事がわかりました。ではどうすれば女性ホルモンの減少を防ぐことができるのでしょうか。
健康な食事と育毛サプリメント
豆乳、ザクロ、キヌアなどエストロゲンの維持に必要な栄養素を食事で体内から吸収することで女性ホルモンの乱れを抑えます。ただし一度の食事や一種類の食物から摂取できる栄養素は限度があるので、ビタミンや葉酸サプリメントでバランス良く補うのが望ましいです。
有酸素運動と規則正しい睡眠
女性は冷え性の方が多いので、ジョギングなどの有酸素運動で血行を促進する事でホルモンバランスも良くなります。また運動する事と外で太陽の光を浴びる事でセロトニンが分泌され、ストレス発散で心の安定にもつながります。
睡眠はカーテンで光を遮断し、アロマオイルの香りやヒーリング音楽など、リラックスできる環境で寝ることで女性ホルモンの安定に繋がります。
女性用育毛剤
すでに女性ホルモンの乱れから薄毛になってしまっている人は30代女性が書いた女性用育毛剤の口コミの記事を参考にして、産後やストレス、ふけかゆみなど自分の症状にあった女性用育毛剤を使うのも有効な手段です。
男性ホルモンと男性の薄毛の関係
男性ホルモンで有名なものは、テストステロンです。それともう1つ、薄毛界で有名なのはジヒドロテストステロン(DHT)です。
一般的には、男性ホルモンが増えると薄毛は進行すると考えられていますが、実はそれは厳密には嘘。テストステロンは、むしろ髪にとっても非常に有用なホルモンなのです。
それでは男性ホルモンの善悪2つの役割はどう違うのでしょうか。
テストステロンが分泌されてハゲるの?
テストステロンが司るのは、心と体の健康です。筋肉や太い骨格を作り、「やる気」や「幸福感」の元となるドーパミンを分泌させるテストステロンが多く分泌されれば、ストレス性の抜け毛はほぼ解消されると言っても過言ではありません。
さらに、テストステロンは血管の状態を正常に保つ働きもあります。ほとんどの育毛剤の効能に「血行促進」が含まれているほど、血液循環は髪にとって重要な役割があります。テストステロンは、血管を正常に働かせることで髪の栄養補給をサポートしてくれるのです!
これらの効果が全て発揮されると、髪は黒く太く成長します。長々と説明してきましたが、要するにテストステロンには、髪を太くする効果があるということです!
そんな働き者のテストステロンが、どうして抜け毛の原因と誤解されてきたのでしょうか。その犯人というのが、悪玉男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)です。
ジヒドロテストステロンは脱毛ホルモン
DHTは、脱毛ホルモンの異名を持つ厄介者。これが毛乳頭にある男性ホルモンレセプターと結合すると、髪がすぐに抜けてしまうのです。
厳密には髪の毛の正常なヘアサイクルの期間を短くしてしまい、髪の毛が成長しきる前に抜け落ちてやがて弱々しい産毛ばかりになってハゲるのです。
これが、M字はげの原因となる世に言うAGA男性型脱毛症という奴です。
ちなみに、女性にも男性型脱毛症の脅威は容赦なく襲ってきます。更年期や悪い生活習慣によりホルモンバランスが乱れ女性ホルモンの分泌量が減ると、女性にも僅かながら存在する5αリダクターゼの影響が見られる様になってきます。これが、FAGA(女性男性型脱毛症)と言うわけです。
男女ともに40歳を過ぎた頃から見られる、様々な体調の不良や情緒不安定などの症状をまとめて更年期障害と呼びます。女性の場合は、閉経期前後の約10年間に卵巣ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少することによって症状が現れます。
男性の脱毛ホルモンDHTを減らす方法
男性の場合はテストステロンではなく、5aリダクターゼを抑制することでDHTを減らすことが薄毛予防に繋がることが判明しました。ではどうすれば脱毛ホルモンDHTを減らすことができるのでしょうか。
バランスの良い食事と育毛サプリ
油もの、揚げ物、肉類、酒を減らして野菜を摂りつつ魚介類や豆類、鳥の胸肉など良質なたんぱく質を摂る事で頭皮の皮脂を抑え、髪の栄養となるアミノ酸を生成できます。ただし食事からとれる栄養素には限界があるので、育毛に必要な栄養素とDHT抑制成分のノコギリヤシの効果をバランスよく配合した育毛サプリが効果的です。
規則正しい睡眠と有酸素運動
ジョギングなどの有酸素運動をすることで全身の血行促進で頭皮の毛細血管の血流も良くなります。また一説によるとDHTは頭皮の皮脂に含まれていて、汗で流れていくとも言われています。となるとサウナや岩盤浴で汗を絞り出すのも有効的な手段ですね。
睡眠中に髪の毛は成長するので徹夜や夜更かしはもってのほか!質の良い睡眠をこころがけましょう。忙しくて時間がないビジネスマンでも快眠枕や快眠マット、アイマスクを携帯して短時間でも回復できるよう努めるのが大切です。
5aリダクターゼ抑制成分のある育毛剤を使う
脱毛ホルモンDHTを育毛剤で抑える場合、市販の安物の育毛剤では効果がない場合が多いです。なぜならアルコールやメントールや水、グリセリンではDHTを抑える効果がないからです。
男性の育毛剤おすすめランキングを参考に成分表記に黄金エキス、大豆エキス、ヒオウギエキス、カモミラエキスなど5aリダクターゼ活性抑制の作用がある育毛剤を選びましょう。
まとめ
以上が女性ホルモンと男性ホルモンの薄毛への影響の違いでした。
男女のホルモンによって効果は様々ですが、共通していることは年齢が進むにつれ分泌量が低下していくという事。
低下の度合いを穏やかにするためにも規則正しい生活習慣は大事にしましょう!